2016年(平成28年)末現在、全国の就業歯科衛生士数は123,831人と発表されました。
前回の調査が行われた2014年(平成26)年末の116,299人に比べて、7,532人増え、その割合は6.5%増加しました。
また、さらにその10年前の1994年(平成6)には、48,659人であり、2014年には、約2.4倍に増加しました。
つまり、
1994年には、 48,659人、
2014年には、116,299人
2016年には、123,831人
といったように、歯科衛生士は、1994年から増加し続けています。
2016年の就業歯科衛生士数を年齢別にみてみると、
25歳未満 13,996人 11.3%
25~29歳 17,807人 14.4%
30~34歳 17,865人 14.4%
35~39歳 16,673人 13.5%
40~44歳 18,371人 14.8%
45~49歳 16,267人 13.1%
50歳以上 22,852人 18.5%
このように、比較的、均等に分布しています。
ただ、2014年の歯科衛生士の年齢別割合と比較すると、25歳未満の歯科衛生士の数の減少が目立ち、その一方、35歳以上の歯科衛生士が増加していることがわかります。
そして、1994年には、29歳以下の歯科衛生士は、全体の約65%でしたが、2014年には約28%までに低下しています。
これには、2つ要因があり、
・少子化で29歳以下の歯科衛生士が減少している
・35歳以上の歯科衛生士が継続して働くことができるようになった
といったことがあげられます。
特に、以前は、結婚、出産後に辞めていた人も多かった歯科衛生士という仕事ですが、今では、結婚しても、子どもがいても、がんばって働く歯科衛生士さんが増えたといえそうです。
年齢階級別にみた就業歯科衛生士数の年次推移
参照元:歯科衛生士会 https://www.jdha.or.jp/dh/info_employ.html
また、2016年(平成28年)の歯科衛生士の就業場所については、
診療所 | 90.60% | 112,211人 |
病院 | 5.10% | 6,259人 |
市区町村 | 1.60% | 1,952人 |
介護保険施設など | 0.80% | 955人 |
歯科衛生士学校または養成所 | 0.70% | 873人 |
保健所 | 0.50% | 672人 |
事業所 | 0.30% | 317人 |
都道府県 | 0.10% | 130人 |
その他 | 0.40% | 462人 |
となっており、圧倒的に、診療所が多くなっています。
就業場所の割合は、1994年から、大きく変化はなく、今も昔も、多くの歯科衛生士は、診療所で働いています。
さて、歯科医師数についてですが、2016年(平成28年)末現在、104,533人で、2004年には、92,696人でしたので、こちらも人数が増えています。
歯科診療所についても、1993年には、55,906件、2014年には、68,592件となっており、こちらも増加しています。
いまや、コンビニよりも多いといわれている歯科医院ですが、人口が減少し始めた今の日本において、まさに、歯科医師が過剰になっていることが問題になっているともいわれています。
そのため、ここ最近は、歯科診療所は倒産するケースも少なくなく、若干ですが、減少しています。
そんな歯科診療所飽和問題、歯科医師過剰問題がある一方、歯科衛生士は不足しているという歯科衛生士不足問題が発生しています。
歯科診療所68,592か所(2014年)に対し、歯科衛生士は、診療所で働く歯科衛生士の数は、112,211人(2018年)となっており、診療所1か所当たり約1.6人となっており、中には、歯科衛生士のいない歯科診療所もあるほどです。
2018年、新たに歯科衛生士になった人数は、6481人で、毎年、6500人ほど増えているといわれています。
ただ、先に示した就業者数の増え方から見ると、2年で、7532人しか増えておらず、つまり1年で3700人ほどしか増えていないことから、実際歯科衛生士という職を辞めている人も多いことが推測できます。
実際、少し古い情報にはなりますが、歯科衛生士の有資格者は、216,277名(平成21年)となっていますが、実際に、歯科診療所などで働いている人の人数は96,442人(平成20年)となっており、歯科衛生士の資格を持っているのに、歯科衛生士として働いていない人が、6割ほどいるともいわれています。
このようなこともあり、歯科衛生士の求人倍率は、現在20倍ともいわれており、まさに、歯科衛生士は、引手あまたの職業となっているのです。
つまり、歯科衛生士が、歯科診療所などで職を探そうとしたとき、20か所くらいから選ぶことができるというわけですので、より自分にあったところを選べるというわけなのです。
このように、歯科衛生士は、求人数が多く、いつでもどこでも仕事に就ける職業なのです。
せっかくの資格をぜひ、有効活用してくださいね。